SEED TECH 2024.06.18

「We Are Burning!」というスローガンで走る一年。その熱量の先に見据える未来とは?シードテック代表 高原大輔インタビュー。

「We Are Burning!」というスローガンで走る一年。その熱量の先に見据える未来とは?シードテック代表 高原大輔インタビュー。

「We Are Burning!」というスローガンのもと、2025年3月期を走り始めた、ギークスのグループ会社であるシードテック。

今回は代表の高原さんに、このスローガンを策定した背景とともに、シードテックが大切にしている社会貢献に向けた想い、メンバーに対するメッセージを伺いました。

「Are you burning?」という問いかけから始まる

ー今期のスローガンは「We Are Burning!」だと伺いました。熱量をとても強く感じるスローガンです。

ギークスグループの年始恒例の書き初めイベントでも「熱」という文字を書きましたが、自分たちの仕事に熱と誇りを持って取り組む一年にしてほしいと思って、このスローガンにしました。

外国籍のメンバーが多い会社なので、朝礼のときに「Are you burning?」とみんなに尋ね、「Yes,we are!」という言葉をもらって毎日の仕事が始まります。ベンチャースピリットの強いコミュニケーションと感じられるかもしれませんが、何かの縁で一緒に仕事をすることになって、仲間として共に過ごしていく中で、今年は熱い一年だったと思えるような結果を生むために、大切ではないかなと思っています。

ー組織の一体感を生み出すことにも繋がりそうです。

シードテックは日本とフィリピンに拠点があり、物理的な距離が離れていますが、組織の一体感なくしては仕事も成り立ちませんし、いい結果も生まれません。

今年は事業に弾みをつけて、一段階上のステージへ進む、挑戦の一年でもあるので、「ONE TEAM」で仕事に取り組んでもらうための分かりやすい言葉、ベースとなる考え方や価値観を伝えたいなと思っていました。そこから生まれた「We Are Burning!」です。

ー今年は一段階上のステージへ進むという言葉がありましたが、昨年度のシードテックを振り返ってみての総括を伺えればと思います。

昨年度は「ソダテク」「シードテックスクール」「オフショア開発」と3つのサービスがそれぞれ成長できた、サービスの価値が広がった一年だったと感じています。

DX/IT人材育成サービス「ソダテク」は、シードテックの他のサービスとの組み合わせによって、より輝くサービスになると気づきました。オフショア開発の人材育成での活用、未経験から開発案件の現場参画を目指すエンジニア育成プロジェクト「Seed Tech Camp」の立ち上げなど、「ソダテク」がハブとなることで、私たちが提供できるサービスの可能性が大きく広がることを深く理解できました。

▲ソダテクの受講画面

また、フィリピン・セブ島でのIT留学「シードテックスクール」は、コロナ禍以前の賑やかさが戻ってきたと感じています。円安のハードルはあるものの、多くの方からの問い合わせがありますし、法人個人問わず、様々な方々にお越しいただきました。

オフショア開発は、フィリピンでの開発を継続するとともに、先ほどもお伝えした「Seed Tech Camp」を一例としたニアショア開発へのチャレンジも始めました。「ソダテク」という育成基盤を備えているからこそ、採用育成一体型の開発チームの組成ができることはシードテックの強みです。

総括すると、サービスラインナップがそれぞれに成長し、ブレイクスルーの兆しが見えた一年だったと言えるかもしれません。

サービス紹介のような振り返りになってしまいましたが、実は昨年の書き初めが「極」で、サービス品質を極めることを掲げていたんです。それだけサービスと向き合った一年だったとも言えますし、一定の成果は得られたのではないかと思います。

▲シードテックのサービス概要資料より

ー書き初めとスローガンの言葉を借りれば、品質を極めたサービスを熱量持って社会へ届けていく一年となりそうですね。

メンバーのみんなに伝えたいことは、しっかりと価値提供できているからこそ各サービスが成長できているので、誇りを持って、熱量高く目の前の仕事に取り組んでいってほしいということですね。

また、私たちが提供するそれぞれのサービスでいえば、「ソダテク」はコンテンツの拡充などを含め、人材育成のツールとして他サービスとの組み合わせを模索していきたいと考えていますし、「シードテックスクール」はこれまでよりライトな留学プランも提案できないかと考えています。「オフショア開発」も専門性の強化を図っていきたいと考えているので、より市場や企業のニーズとマッチした価値提供を推進できればと思っています。

シードテックのサービスの根幹は社会貢献性にある

ーシードテックのサービスの概要と展望を伺う中で、ギークスグループが取り組む社会課題「IT人材不足」に対して、「育成機会の創出」と「グローバルな開発チーム組成」という2つのアプローチで解決しようという図式が見えました。

私たちは「IT人材不足」という社会課題に対して「IT人材を増やす、育てる」という解決策を採っていますし、国内のエンジニアだけでは解決できない規模の「IT人材不足」であると認識した上で、フィリピン人エンジニアの力を頼るという選択をしています。

そもそも、私自身が経営者として大事にしていることは社会貢献であり、「善なる想い」のもとで事業を推進していきたいと考えています。

シードテックを立ち上げたのも、2011年に世界一周して海外で活躍する方々とお会いする中で、「英語力が低く、世界のIT化への流れに疎ければ、日本の将来は厳しくなる」ということを実感した原体験にあるので、シードテックの事業成長と社会貢献は連動しています。

ー原体験の中には「IT」と「英語」の2つに対する課題意識があります。

日本企業にとって国内市場だけで戦うには限界があると思っていますし、グローバルの市場に打って出るならば「IT」と「英語」は必須です。これは個人のキャリア形成においても同じで、プログラミングと英語ができれば稼げます。だからこそ「IT」と「英語」は、ビジネスパーソンが基礎スキルとして学ぶべきものです。

欧米では幼少期からプログラミング教育が行われていますし、小さな子どもがゲームアプリを作ることもあります。そして、英語はネイティブ。日本でもプログラミング教育の義務化が始まりましたが、その差はまだまだ大きいと思います。プログラミングと英語が、昔でいう「読み・書き・そろばん」のようなものにならない限り、なかなかその差は埋まらないでしょう。

私たちが「ITと英語を学びたいならシードテック」と市場を啓蒙し、その責任を果たせるところまで成長しなくてはならないと思っています。グローバルで活躍できるIT人材をたくさん輩出していくことが目指す先の一つですね。

▲フィリピン・セブ島のメンバー

ーIT留学先としてのフィリピン・セブ島はシードテックにとって大きな存在だと思いますが、「グローバルな開発チーム組成」の拠点としても重要視されています。

2030年に最大で79万人のIT人材が日本で不足すると言われていますが、これは国内だけで解決へ導くのは難しい問題です。国民の90%以上が英語を話すことができ、平均年齢が23歳、プログラマーの人件費が日本の3分の1ほどのフィリピンで優秀なプログラマー人材を育て、オフショア開発を通じて日本企業を支えることは「IT人材不足」に対する有効な施策です。

貧困が社会課題であるフィリピンにおいても、外貨を稼ぎ、エンジニア職という希少価値の高い雇用を創出していることは貢献性の高い取り組みだと信じています。IT留学先としても非常に良い環境ですし、日本とフィリピン、両国の成長に寄与していきたいですね。

ー中長期的に見たときに、シードテックの社会貢献性は事業の強みであり、企業としてのユニークポイントだと思います。

私たちのビジネスモデルの特徴が「DX/IT人材の育成から開発までをワンストップでできること」ですし、テックスクールの運営のみ、システム開発のみという事業構成の企業が多い中で、プログラミングだけでなく、英語まで教えられる上に、エンジニアを抱え、開発案件にも対応できるのは、かなりユニークだと思っています。

サービスの一つひとつに社会課題解決、そして社会貢献への想いを込めているので、それがシードテックとしての強み、優位性に繋がればいいですね。

「気の良いメンバー」が集まるシードテック

ー「We Are Burning!」というスローガンや「ONE TEAM」という一体感、社会貢献に対する想い。エンゲージメントやロイヤリティが高く、貢献意欲が備わったメンバーが集まっていなければ、なかなかこういった言葉が出てこないのではないかと思います。

シードテックのメンバーの共通点は、会社が好き、事業が好きという想いがあること。そして、気が良いことですね。一緒にいてギスギスしないというか、気持ちの良いコミュニケーションが取れるというか。この共通点がエンゲージメントやロイヤリティの高さといった点に繋がっているのではないでしょうか。

採用のポイントかもしれませんが、個人的には「一緒に旅に行って楽しそうか」を大切にしているんです。長い旅をしていると、途中で予期せぬトラブルが起こったりして、良いことも大変なこともいろいろなことがありますよね。それって会社も共通する部分があると思っていて、一緒にいろいろなことを分かち合って楽しんでいけそうかなと想像します。

同じ空間にいても気持ち良く過ごすことができて、波長が合うメンバーが集まるといいなと思っています。そういうメンバーが集まる中で、他のメンバーが持ち合わせていないスキルや経験、個性が組み合わさってくると、チームとして強くなっていくのではないかと考えています。

最後に補足ですが、一緒に旅に行くという視点はあくまで採用のポイントの1つですので、他の要素や相性も含めて総合的に判断しています。不採用だった=一緒に旅に行っても…ということではないことはお伝えさせてください。

ーなるほど。こういった共通点や採用のポイントは、今後も変わらないものでしょうか。

グローバルな組織として成長していく上で、メンバーの共通する部分、いいバイブスや雰囲気みたいなものは大切ですし、組織風土や文化形成に繋がっていくと思います。ただ、一人ひとりの武器となる、違いを生み出すスペシャルなスキルも大切で、それが組織の成長を加速させていくものだと思います。

本当は日本でもフィリピンでも、メンバーのデスクを訪れて「最近調子どう?」「何か困っていることある?」といったことを聞いて回って、メンバーの状況を把握したい気持ちもあります。そういった近さを求めている自分もいますが、メンバーからしたら「いい迷惑」かもしれませんね(笑)。

ー高原さんがメンバーの皆さんに対して伝えている、成長をもたらすヒントのようなものはありますか。

信頼の貯金をしようということですね。仕事って一人ではできないもので、お客さん・上司・仲間と関係者が多いものです。あいつだったら仕事を任せたい、頼みたいと思わせる何かを持っているかどうか、これが信頼の貯金です。

お客さんに対して、上司や仲間に対して、コツコツと期待に応えていき、期待以上の価値を提供していくと、信頼は貯まっていきます。たとえ失敗したとしても、前向きな失敗や挑戦の過程においての失敗は、むしろ信頼が貯まる方向に動きます。一方で無責任な失敗や何度も同じことを繰り返す失敗は、せっかく貯めたものを一気に減らしてしまう結果となります。

この信頼の貯金の有無で、仕事のチャンスも成長の機会も段違いに変わってきます。これも日本・フィリピンどちらにおいても共通することだと思いますね。

ーありがとうございます。スローガンの話を皮切りに、たくさんのお話を伺うことができました。最後に、高原さんご自身がシードテックの代表として大切にしていることを教えてください。

先ほども話しましたが、経営者として大事にしていることは「社会貢献」です。社会にとって良きことであれば、一人でも多くの方々に届ける責務があると思っています。上場企業のグループ会社でもありますし、事業拡大と社会貢献を両立させていかなくてはなりません。

また、シードテックで働くメンバーの自己実現の環境を提供したいという気持ちも強いです。一度きりの人生ですし、個人の欲求を満たすことも大事です。社会貢献・拡大発展・自己実現という3つのキーワードを大切にしていますね。

ーありがとうございました!